資本論アラカルト

資本主義搾取を強める方法

には、労働日の延長と労働強化、機械化の導入などによる労働生産性の増大、職場環境の手抜きになどの3つの方法がありますが、「資本論」では、機械化による搾取強化の問題について以下のように指摘しています。

●機械は、それ自体としてみれば労働時間を短縮させます。しかし、資本主義的にもちいられると、逆に労働時間を延長する手段となります。

●機械は、それ自体としてみれば労働を楽なものにし、疲れを少なくします。しかし、資本主義的にもちいられると、逆に労働強化をたやすくする手段となります。

●機械は、それ自体としてみれば労働を単純化し、容易にします。しかし、資本主義的にもちいられると、熟練労働者を追いだして不熟練労働者でおきかえ、また、男子・成人労働者を追いだして婦人・児童を生産過程にひきこみ、より安価な労働力を使うことによって、可変資本を節約し、剰余価値を増大させるのに役立ちます。

●機械は、それ自体としてみれば科学と技術の労働過程への意識的応用です。しかし、資本主義的にもちいられると、精神労働にくらべて肉体労働の地位をひくめ、精神労働から自主性をうばって、資本に対する奉仕の立場におとします。

このように機械は、それ自体は自然力にたいする人間の勝利でありながら、資本主義的にもちいられると人間を自然力によって抑圧します。またそれ自体は、生産者の富をますのに、資本主義的にもちいられると生産者の貧困化を増大させるのです。

ページ上部へ戻る